FCPのエラー フレーム順序の乱れとノイズリダクションフィルタ

 FX30を使って1時間ほど撮りっぱなしで収録した映像素材をFinal Cut Pro(ファイナルカットプロ 以下FCP)で編集した際に、書き出したファイルにフレームの順序が乱れる箇所がありました。具体的には、
1、2、3、4、5、6、7、8、9…と続くフレームが、
1、2、3、4、5、「1」、7、8、9…
と、本来6があるべき位置に1が現れるように、一部のフレームが置き換わってしまうようなエラーです。(半年ほど前に経験したエラーなので、現在はFCPのアップデートで改善しているかもしれません。)

収録ファイル形式の問題?

 iフレームなしの時間方向の圧縮ありで収録した映像なので、時間方向で圧縮されたデータの展開に問題が発生したのかもしれないと最初は考えました。しかし、FCPで最適化ファイルを作成しており、最適化した映像ファイルには問題がなかったので、iフレームなしでの圧縮に伴うエラーではなく、FCPでのエフェクト適用などに伴うレンダリング時のエラーと考えて良いように思います。
 レンダリングファイルにフレーム順序の乱れなどのエラーが現れると、そのエラーは書き出した動画ファイルにも再現されます。しかし、レンダリング完了前に書き出しを実行した場合には、エラーが現れたり現れなかったりと発生が安定しません。また、エラーのあった箇所のレンダリングファイルを削除してから再レンダリングするとエラーが現れなかったりと、再現性も一律ではありません
 エラーの起きる映像素材は依頼された撮影での素材であること、また上記のように再現性が不確実な現象なのでサンプル映像はありません。

対処

 映像の特定の箇所に現れるエラーというわけではなく、何らかの条件によってランダムに現れるエラーのようです。そうなると解決は難しいように思われ、今回は書き出した動画ファイルのエラーのあった箇所に、別途書き出したエラーのない状態の映像ファイルを細かく切り貼りして回避しました。
 エラーのない映像を書き出すには、エラーの発生した箇所を短く切り出したタイムラインを作成し、再生ファイルのレンダリングを完了させます。レンダリングファイルにエラーが出ていないことを確認してから、短い映像クリップとして書き出し操作をします。このエラーのない短い映像を、すでに書き出し済みのエラー箇所を含む完成映像に上書きしていきます。

考えられる原因

 考えられる原因はFCPでのレンダリングが必要になる要素、つまりエフェクトフィルタなどが挙げられます。この編集ではカメラを高感度に設定して撮影したため、高感度ノイズを抑制する目的で映像用のノイズリダクションフィルタを使用したのがエラーの原因として怪しまれます。しかし、過去にこのフィルタを使用してこういったエラーが現れたことはありませんでした。他にも色補正なども行っており、怪しい要素を書き出すと以下のようになります。

  1. 映像用のノイズリダクションフィルタ、或いはカラーボード・カラーカーブといった色補正エフェクトフィルタ
  2. テロップ
  3. 4K収録したものをFHDにリサイズしているので、リサイズ時のエラー

 また、約2時間のタイムラインの後半部分に集中してエラーが発生しているので、長時間の映像ファイルの書き出しに伴うエラーも疑われる要素です。これらのどの要素も単独ではフレームの乱れを引き起こすようなことはなく、原因を特定するのは難しそうです。

解決?

 その後、このコマ落ちとは別の理由で映像用のノイズリダクションフィルタの使用箇所を減らしたら、エラー現象はノイズリダクションフィルタの適用箇所のみに現れることに気づきました。他のフィルタとの組み合わせなど複合的な理由が考えられるものの、このエラーの主要な原因はノイズリダクションフィルタにあるようです。ノイズリダクションフィルタの適用箇所を減らした結果、これまで出ていなかった別のノイズリダクション適用箇所でエラーが現れたりと、なかなか厄介なエラーです。
 過去に何度かノイズリダクションフィルタを利用してきましたが、こういったエラーを経験したことはありませんでした。前に挙げた予想される原因のどれかとの複合的な要因でエラーが発生しているのだろうと思います。

ノイズリダクションフィルタ

 ノイズリダクションフィルタは、エフェクトウィンドウの「基本」に分類されたフィルタです。カメラを高感度に設定したときに見られるような、ザラザラとしたノイズを抑えてくれるフィルタです。言葉で説明すると素晴らしいフィルタのように感じますが、ボカシフィルタとシャープネスフィルタを掛け合わせたような効果で、細かな粒子状のノイズを弱いボカシフィルタで誤魔化しつつ、主要な輪郭などはシャープネス効果で維持するといった処理をしているようです。そのため、画面内の細かなディティールは失われてしまいがちです。

FCP画像 71_fig_01
FCPのエフェクトウィンドウ

 ノイズフィルタの設定項目はシンプルで、ノイズリダクションの「量」の調整と、「シャープネス」効果の2項目だけです。ノイズリダクションの「量」がボカシ具合の調整、シャープネスが輪郭などのエッジを強調して画面が全体的にボケてしまうのを抑制するパラメータになります。

FCP画像 71_fig_02
ノイズリダクションフィルタ設定画面

まとめ

 今回のようにフレーム順序が乱れるといったエラーの発生はさておき、そもそもノイズリダクションフィルタの使用箇所を絞った理由は、ノイズを抑える一定の効果は見られるものの、画面全体を見るとディティール感が損なわれてしまうデメリットの方が大きいと感じたためです。髪の毛や木目などの質感がベッタリとしたものになってしまい、高感度ノイズの除去とこういったディティール感の損失とを天秤にかけると、高感度ノイズの除去を諦めても良いと思える程度の効果だったためです。今後こういったフィルタもAi処理でより効果的なものにバージョンアップされることを期待します。

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