SmallRig アルカスイス用クイックプレート(DBC2506B)

 今回は、SmallRigのアルカスイス互換のクイックリリースプレートの話です。「スタビライザー用クイックリリースマウントプレート DBC2506B」 という商品名・品番で、スタビライザー用のパーツとして分類されています。

Peak Designのアルカスイスプレートを固定

 普段、Peak Designのキャプチャーという、カメラをバックやベルトなどに固定できるアクセサリーを使用しているのですが、この製品はアルカスイスという規格のカメラプレートをカメラ底部に取り付けて使用します。
 このプレートは薄型設計なために六角ネジでカメラに固定する仕様で、頻繁に付け・外しをするのが面倒な設計です。そこで、三脚側にアルカスイス互換のクイックリリースプレートを取り付けることで、Peak Designのキャプチャー用プレートをつけたまま三脚などの他の機材にカメラを固定できるよう購入してみました。

写真 c09_photo_01
Peak Designのキャプチャー用プレートを取り付けたDBC2506Bクイックリリースプレート

Peak Designキャプチャー用プレートとの相性

 Peak Designキャプチャー用プレートは正方形に作られ、縦横どちら向きにもカメラを固定できるデザインになっています。しかし、縦と横のサイズにごく僅かなばらつきがあるようで、レバーで固定するタイプのクイックリリースプレートを試したところ、縦向きではしっかり固定できても横向きでは緩くて固定できないといった状態でした。そこで、ネジで固定する本製品を試してみました

デザイン

写真 c09_photo_02
DBC2506Bクイックリリースプレート上面
写真 c09_photo_03
DBC2506Bクイックリリースプレート下面

 コンパクトなデザインで、プレートを固定するパーツにはメモリが印字されています。スタブライザーに取り付けた際に、カメラのバランスをとる目印として利用するためだと思われます。
 底面には、三脚やスタビライザーへの固定用に1/4インチネジ穴が3つ設置されています。縦向き、横向きどちら方向でも2つのネジで固定することができるような設計です。
 M4ネジが側面に3つ、背面に2つ設置されており、M4ネジで固定する追加のリグパーツを取り付けることができます。

 この製品は小型なこともあり、アルカスイスプレートを固定するネジが若干回しづらいのですが、ネジには六角レンチ用の穴も加工されており、付属のレンチを使って増し締めすることができます

写真 c09_photo_04
固定ネジには六角レンチ用の穴が加工されている

カメラが傾く?

 このクイックリリースプレートを使ってみて気になったのが、カメラの横方向に固定ネジがくる位置で設置すると、画面が傾くことです。一見、左右の爪状の金具でアルカスイスプレートをしっかりと挟み込んで固定しているように見えますが、横から見るとアルカスイスプレートが僅かに浮いているようです。

写真 c09_photo_05
DBC2506Bクイックリリースプレートのみの側面
写真 c09_photo_06
Peak Designのアルカスイス互換プレートを取り付けたDBC2506Bクイックリリースプレート側面

 よくよく見てみると、ロックするための金具がアルカスイスプレートを下から押し上げているようです。図に描くと、c09_fig_01・02のような具合です。
 本来はc09_fig_01のように、各パーツが隙間なくアルカスイスプレートを押し付けてしっかりと固定できるのが望ましい状態です。しかし、実際のところはc09_fig_02のように、締め付けネジで押された固定金具がアルカスイスプレートに当たるaを支点としてbの方向に回転し、cの位置でアルカスイスプレートを押し上げてしまうといった具合です。

図 c09_fig_01
望ましい固定状態
図 c09_fig_02
実際の固定状態

対処

 全てのアルカスイス互換のプレートでこのような傾きが発生するのかは試していませんが、Peak Designのプレートでは上記のような傾きが起こります。対処としては、このクイックリリースプレートをカメラの前後方向で固定ネジを締め付けるような向きで設置すれば解決します。カメラの前後方向で傾きが発生しますが、これは三脚のティルト調整で解消できます。
 メーカーのホームページの写真をよくみると、固定ネジがカメラの背面に位置する向きで取り付けられています。元々この向きで使用するよう設計された製品なのかもしれません。

まとめ

 Peak Designのアルカスイス互換のプレートは、ごく僅かですが縦横の寸法にばらつきがあるようです。そのため、レバーで固定するタイプのアルカスイス互換プレートでは、縦か横方向で上手くロックできない場合があります。その点、SmallRigのDBC2506Bはネジでの固定なので問題なくPeak Designのアルカスイスプレートを固定できます
 しかし、DBC2506BでPeak Designのアルカスイスプレートを固定すると、構造上プレートが僅かに傾きます。プレートを固定するネジの方向を、カメラの左右方向ではなく前後方向になるよう設置しないと、固定した際にカメラが左右に傾いてしまいます
 最近の三脚はほとんどの製品でクイックリリースプレートを備えています。クイックリリースプレートに本製品を上乗せして、クイックリリースプレートの2段重ねのような使い方はカメラをしっかりと固定するという意味ではお勧めできません。しかし、Peak Designのプレートの着脱が面倒なこともあり、ちょっとした撮影ではこのクイックリリースプレートと併せて使うと大変便利です。
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