Eマウントレンズ6本まとめ
私が現在所有しているEマウントレンズは、FX30用に購入したAPS-C用のレンズ6本です。それぞれのレンズについてはこれまで個別に紹介してきましたが、必要に応じて買い足してきた結果、購入当初とは若干印象が変わったレンズもあります。今回は、これまで紹介してきたEマウントレンズを、満足度や使用頻度の高い順に記載していきます。なお、ここでの比較は動画撮影用途を前提とし、手ブレなどの補正能力はFX30に取り付けての使用感を基にしています。
INDEX
SIGMA 16-300MM F3.5-6.7 DC OS

SIGMA 16-300mm

SIGMA 16-300mm
約18倍のズーム比は圧倒的です。コンパクトな高倍率ズームなので、明るさの点で若干他のレンズに劣りますが、明るさはカメラの感度設定である程度カバーできます。(このレンズを使うようになって、比較的高い感度に設定することに抵抗感が少なくなりました。撮影する画角や構図によっても、高感度ノイズの目立ち方が違うので一概には言えませんが、撮り方によってはISO3200くらいまで感度を上げても気になりません。)明るさはカメラの感度設定である程度カバーできるのに対して、画角はレンズの焦点距離に大きく依存する要素です。トリミングで多少は調整できるとはいえ、拡大してもせいぜい180%程度までが実用の範囲です。そういった中で、望遠側の300mmという焦点距離はFX30の超解像ズーム機能を使うと450mmまで寄ることができ、私が持っている他のレンズでは得られない画角です。
望遠側の300mmもさることながら、ワイド側の16mmという焦点距離も、SONYのE PZ 18-200mmやE PZ 18-105mmよりも2mm広いのは大きく有利な点です。18mmからのズームだとどうしても10-20mmズームと交換しながらの撮影になりがちなところを、このレンズならば交換なしで済ませることも可能です。撮影シーンにもよりますが、一本だけ買うならこのレンズからでも良いかもしれません。
阿呆なミスでもう一本このレンズを買い足して、ズームリングの操作感の軽い個体を入手できたのもラッキーでした。この個体について言えば、上むき、下向きに撮影する際にズーム群が移動してしまい、焦点距離が変化してしまうほどにズームは軽く動きます。撮影中に意図せず焦点距離が変化してしまうので、それはそれで考えものですが。
望遠時にレンズ全長が伸びるタイプなので、三脚に設置した時にズームをするとカメラの前後のバランスが崩れてしまうのは不便なところです。特に望遠での撮影時には、バランスの変化が気になります。まあ、小型なズームレンズなので、多少の不便があるのは仕方ないことですが。
このレンズについての詳細な記載・サンプル映像はこちらをご覧ください。
SONY E PZ 10-20mm F4 G

SONY E PZ 10-20mm F4 G
使用頻度は決して高くないのですが、仕事の撮影では必ずといっていいほどカメラバッグに入れていくレンズです。建物の外観などを撮影する際、全体を収めるために後ろにさがることができない場合は、ワイドレンズを使う他に手立てがありません。特に18mmからのズームレンズを標準的に使用している場合は、ある意味で必需品といっても過言ではありません。
ただし、私はセンサーゴミの付着が心配なので、撮影現場では極力レンズを交換しません。写真ならばある程度のゴミを消すのは可能ですが、動画でセンサーゴミを消すのはとても面倒な作業だからです。結果的に、このレンズに付け替えるといった機会はほとんどありません。それでも、使用頻度は少ないものの、撮影に持参するという意味では稼働率の高いレンズになっています。
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SONY E 16-55mm F2.8 G

SONY E 16-55mm F2.8 G
現在私が所有しているEマウントレンズの中で、唯一格上の描写力を感じたレンズです。同じGレンズブランドの10-20mmと比べても、一段繊細な描写なように見えます。ただし、全てのシーンでそういった描写が期待できる訳ではありません。実用した上では、発色や繊細さが生かされるシーンで、他のレンズとは僅かな違いを感じることがある、といった程度の差です。
元々、メーカーホームページに掲載されたMTF曲線図が優秀なので試したくなったレンズです。SONY製Eマウントレンズ全てのMTF曲線図を確認した訳ではありませんが、このレンズのMTF曲線は、このレンズよりも高価なフルサイズ用のレンズよりも優秀な値を示しています。
MTF曲線のみがレンズの描写性能を決定する全ての要素ではないものの、カタログデータの優秀さが描写に現れることを実感したレンズです。このレンズの焦点距離の範囲で十分対応できると判断できる撮影では、迷わず使うレンズです。また、所有している中で最もF値が明るいのも心強いところです。
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SONY E PZ 16-50mm F3.5-5.6 OSS

SONY E PZ 16-50mm F3.5-5.6 OSS
仕事では滅多に使わないレンズですが、プライベートな外出時にはしばしば使うレンズです。仕事に使わない理由は、この焦点距離をカバーする目的ならば、E 16-55mm F2.8 Gを使うためです。このレンズの利点は安価でコンパクトなことですが、仕事の場合はここまでコンパクトなことが必要になるケースは滅多にありません。また、見た目的に「頑張って仕事しますよ」という雰囲気が出にくいのも仕事で使いづらい理由です。
一方で、プライベートな利用ではそういった見た目の印象は関係ありません。小型なことは重要なスペックです。描写も、ぱっと見ではE 16-55mm F2.8 Gを除く他のレンズと大きな差を感じることはありません。コスパ込みで優秀なレンズです。なお、現在はこの後継機が販売されていますが、そちらは試したことはありません。
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SONY E PZ 18-200mm F3.5-6.3 OSS

SONY E PZ 18-200mm F3.5-6.3 OSS
SIGMA 16-300MMを購入するまでは、高倍率ズームとして使用することが多いレンズでした。レンズ下部にズーム用のサーボモーターユニットが飛び出しており、このレンズを装着したFX30を三脚に固定するには、適当なライザー部品が必要なのが難点です。
SIGMA 16-300MMと比較したとき、このレンズの優位性はサーボモーターでの電動ズームのみです。しかし、ズームスイッチ操作時のスタート・ストップのタイミングをとる難しさ、スピード調整の難しさ、サーボのon・off切り替えの煩雑さなどがあり、サーボズームも必ずしも使い易いとは言い難いように思います。また、18mmからというズーム範囲も、常用するにはワイド側が今ひとつ足りません。そういった理由から、SIGMA 16-300MM購入後はめっきり出動回数が減りました。写りは決して悪くないレンズです。
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SONY E PZ 18-105mm F4 G OSS

SONY E PZ 18-105mm F4 G OSS
こちらもSIGMA 16-300MMを購入してからは、稼働率が激減したレンズです。18mmからとワイドが物足りないのが大きな理由です。SIGMA 16-300MMに比べてF値が明るいのが唯一の優位点といっても良いでしょう。しかし、SIGMA 16-300MMはワイド側の16mmから18mmの範囲ではF3.5とむしろこのレンズよりもF値は明るいので、必ずしも明るいレンズが必要な場合に持ち出すほどのスペックでもありません。また、フォーカスやズームの機構がやや古い設計で、マニュアル操作がし辛いのも微妙なところです。写りは悪くないし、パワーズーム搭載など魅力的な部分もあるのですが、私の手持ちの6本の中ではパンチに欠けるレンズといった印象になってしまいました。
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まとめ
SIGMA 16-300MM F3.5-6.7を購入して一区切り感があります。次は明るい単焦点レンズも良いかと思うのですが、実際のところ使う機会があるか微妙です。レンズ交換時のセンサーゴミの付着も心配なのですが、レンズ交換するようなゆとりのある撮影があまりないのも実際のところです。また、SONYのAPS-C用のレンズは単焦点レンズのラインナップが少なく、魅力的なもの、個性的なものとなると更に数は絞られます。そうすると、フルサイズ用ということになるのですが、APS-CセンサーのFX30にフルサイズ用のレンズというもの勿体無いような気がします。
SONY製以外のレンズメーカーという選択肢もありますが、近年発売されているミラーレスカメラ用のレンズの多くは歪みや周辺光量の不足などをカメラボディ内の補正機能を組み合わせて使うことを前提に設計されています。16-300MMを使って、とりあえずSIGMAのレンズはこういった補正が上手く機能していることが分かったので、次もSIGMA製レンズを試すかもしれません。

