TENBEST 写真スタジオ機器ケース

 マルチカメラでの撮影時にカメラを複数台運搬するのも大変ですが、それよりも複数のカメラのために複数の三脚を運搬するのはもっと大変です。徒歩と電車などの公共交通機関を使った移動では、担ぎ上げる荷物の数や重量に限界があります。以前三脚を3本運搬した際に、機材をまとめることが出来るキャスター付きのケースの必要性を強く痛感しました。
 そんな経験から購入したのが、TENBEST 写真スタジオ機器ケースという商品です。Amazonで検索してみると類似のケースは他にも幾つかありますが、収納したい三脚のサイズや本数を考慮して、外寸で100×37×33cmのケースを選択しました。

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TENBEST 写真スタジオ機器ケース(写真は横向きに寝かせた状態で、右がキャスター側)

TENBEST 写真スタジオ機器ケースの耐荷重とサイズ・重量

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TENBEST 写真スタジオ機器ケース(写真は横向きに寝かせた状態)

 Amazonの商品写真を見る限り、本来は3灯程度の照明機材を収納・運搬することを想定した製品のようです。一方で私が運搬したいのはそこそこ重量のある三脚を数本です。照明機材に比べてだいぶ重くなるので、収納物の重量超過が気になるところです。しかし、商品ページの記載では耐荷重は40kgとビデオ用の三脚2本程度ならば問題無さそうです。
 収納したいのは、このブログで紹介したSachtlerパノラマ7+7とリーベック脚のセットと、ジッツォの脚部にマンフロットのビデオ雲台を組み合わせたものです。正確に計測したことはないのですが、2本あわせて10kg程度ではと思います。サイズ的には、ケースの内寸が93×34×28cmと上記の2本の三脚を余裕をもって収納できます。三脚の他にも、電源や映像、音声ケーブルなども一緒に収納したいと考えているので、余裕がある程度が丁度良いところです。

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TENBEST 写真スタジオ機器ケースのキャスター側
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TENBEST 写真スタジオ機器ケースの上部

 ケース自体の重量は、7.5kgと結構重いです。このケースにパノラマ7+7とジッツォ+マンフロットの2本を収納すると、引いて歩くだけでくたびれます。ただし、Amazonで販売されている類似品の重量をみるとどれも同じくらいで、特にこの製品だけが重いといったことはありません。そこそこ軽い素材を使っても、品物自体が大きいので仕方ないのだろうと思います。

防水性能

 ケースの外側を覆う素材は、「防水プレミアム1680Dナイロン」製とのことです。私はナイロン素材にあまり詳しくないので調べてみると、裏面に防水処理を施した比較的丈夫な素材とのことです。
 外装のナイロン自体にはそれなりの防水性能が期待できそうですが、ファスナー部分は防水仕様ではなさそうです。短時間小雨に降られる程度ならば大丈夫でしょうが、強烈な雨の場合はビニール袋を被せるなど対策をした方が良さそうです。

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TENBEST写真スタジオ機器ケースのナイロン生地
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TENBEST 写真スタジオ機器ケースのファスナー部

強度

 私の希望する用途である、複数本の三脚やケーブル類などを収納して運搬して問題のない強度はあります。ただし、まだ購入してから数回しか使用していないので、長期間使っての耐久性は分かりません
 また、ハードケースのように上に別の荷物を積み上げるような使い方は避けた方が良さそうです。飛行機の預け荷物にできるほどの強度も無さそうです。

運搬時の使い勝手

 機材を入れて引いた時、予想以上に重く感じます。スーツケースのようにバッグ本体からハンドルが伸びるデザインとは異なり、本体そのものが縦に長く重心が高いので、ケース上部の重さが腕への負担になるのだと思います。荷物を収納する際には、できるだけキャスター側に重量物が集中するように入れた方が、腕への負担を減らせそうです。

 キャスターはそこそこ静かです。特に消音に配慮されたキャスターには見えませんが、普通のスーツケース程度の騒音といった感じです。
 特に凸凹の多い路面でなくとも、ケースの底辺が地面に擦れることがあります。擦れるのはキャスター側の底辺に取り付けられた保護パーツです。キャスターの取り付け角度が今ひとつなのか、私がケースを引く際に寝かせ過ぎているためかもしれません。
 電車内や駅のホームでしっかりと自立するので、このケースの上にバックパックを載せることもできます。

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TENBEST 写真スタジオ機器ケースのキャスター部(2、3回屋外で使用した状態です)

収納

 ケースの内部には柔らかい布が貼ってあるものの、クッション素材が貼られているわけではありません。三脚や照明用の脚ならばそのまま収納・運搬して問題ないと思いますが、カメラ本体やレンズなど細かな振動を嫌う機材の場合は、緩衝材で包むなどの対策をした方が良さそうです。
 仕切り板は自由な位置に設置可能です。ただし当たり前なのですが、左右を仕切る長い仕切り板を上下を仕切る仕切り板のサイズに併せて設置しないと、上下の仕切り板は使えなくなってしまいます。仕切り板を設置する自由度に、もう少し工夫が欲しいところです。

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TENBEST写真スタジオ機器ケースに同梱される間仕切り一式

 三脚を収納する際は、上記の「重いものをキャスター側に寄せる」という入れ方をするために、雲台部分を下に向けて収納した方が運搬時の腕への負担が少なくなります。しかし、雲台を下に向けるとカメラ固定用のネジでケースの内装が傷むようです。雲台部分に緩衝材などを被せた方が良いでしょう。エツミ製のクッションポーチのLやXLサイズが、三脚の雲台に被せるのに適当なサイズです。
 ケース自体が重いので、荷物の入れ過ぎには要注意です。電車の乗り降りや階段などでケースごと持ち上げる機会は案外多いものです。引いて歩けるギリギリまで詰めてしまうと、持ち上げる必要があるときに苦労します。重量のあるものより、かさばる物を優先的に入れた方が、輸送時の負担を減らすことができます。
 ケース内部の側面と蓋の裏に、ファスナー付きのポケットがあります。モバイルバッテリーやケーブル、外部モニターなどを収納するのに便利です。
 実際の運用上の難点では無いのですが、自宅での保管時に場所をとるのも悩みどころです。

まとめ

 複数の三脚を運ぶ際には便利です。また、ケーブルなどのようにバックパックに入れるとかさばる荷物を入れるのにも重宝します。ただし、ケース自体が重いので、三脚を数本収納した状態だと引いて歩くだけでそれなりに腕に負担がかかります。購入前は、運搬が快適ならば常にこのケースを使おうと思っていたのですが、実際には荷物が多いロケ限定かなといった印象です。
 撮影時に三脚のような長物の荷物が多い方は、導入を検討しても良いかもしれません。TENBEST 写真スタジオ機器ケース ローリングバッグ 100×37×33cmのAmazon商品リンクはこちらです。
 また、写真を掲載していませんが、本文中で紹介したエツミの極厚クッションポーチLサイズのAmazon商品リンクはこちらXLサイズのAmazon商品リンクはこちらです。Sachtler panorama 7+7やManfrotto MVH500AHの場合、Lサイズでギリギリ入るサイズ感、XLサイズだと余裕で入ります。このクッションポーチはキャスター付きケースにこまかな機材を収納する際に重宝するので、サイズ違いを数個持っていると便利です。

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