Manfrotto 三脚バッグ MB MBAG70NとMB MBAG100PN
今回は、三脚バッグの話です。多くの場合、三脚本体に付属するバッグを使用し、追加購入するケースは少ないかもしれません。
私の場合、ジッツオの脚部とマンフロットのビデオ雲台を組み合わせたものを収納する適当なバッグが無く、数年前にManfrotto社製のMB MBAG70Nというモデルを購入しました。この製品の使い勝手が良かったので、最近同じManfrotto社製のMBAG100PNをSachtlerのAceL用に購入したので、両製品について記載します。

全長100cmのMBAG100PNと70cmのMB MBAG70N
INDEX
MB MBAG70N(全長70cm)

MB MBAG70N 開閉ファスナー側

MB MBAG70N ストラップ側
MB MBAG70Nは外寸の全長が70cmの製品で、Gitzo G1226 MK2という脚にレベラーのNEEWER NW-10、ビデオ雲台のManfrotto MVH500AHを組み合わせた三脚を収納するために、2018年に購入したものです。
脚部となるG1226 MK2は余裕で入るのですが、ビデオ雲台のMVH500AHは直径的にギリギリといったサイズです。ファスナーを閉める際に、パンバーの固定ネジがちょっと邪魔に感じます。全長は丁度良いサイズなのですが、直径はもう一回り大きなバッグの方が収納時にストレスなく出し入れ出来るかもしれません。

MVH500AHがギリギリ入るサイズ
MB MBAG70Nは、ヘッドを収める部分に樹脂製と思われる分厚いパッドが入っており、雲台上部の保護力はかなり高そうです。しかし、それ以外の部分はクッション材の無いナイロン素材です。
購入した当初はペラペラのナイロン素材にがっかりしたのですが、使用してみるとクッション素材が入っていないために全体にスリムで背負いやすいです。激しくぶつけるといったことのないよう気をつけて運搬すれば、クッション材がなくとも問題ないように感じます。

雲台上面を保護するパッドは厚手で安心感がある
Manfrottoのホームページはかなり簡略なもので、説明文や写真からは生地にクッション材が入っているかを判断しづらい記載です。このバッグを購入後に、量販店でほぼ同サイズの製品でクッション材入りと思われる商品を見かけたので、幾つかの種類があるようです。
改めてホームページの記載で違いを探すと、商品説明に「パッド付」とあるものがクッション材の入った生地で作られているようで、全長が75cmの製品にはそのように記載されています。「パッド」というと雲台を保護する厚手の樹脂パッドの部分を連想するので、ややこしい表記です。
防水性については、メーカーホームページには「撥水生地使用」と記載されている程度です。実際に製品をみてみると、内側がコーティングされているように見え、「撥水」よりは防水性能がありそうです。
ただし、生地自体に防水能力があっても、ファスナや縫製部分から漏水する可能性もあるので、「撥水」程度の防水性能と考えて使った方が無難でしょう。

バッグ内面のナイロン生地は、防水コーティングされているように見える(写真右側の生地)
Sachtler Aceの付属バッグ

Sachtler AceL付属の専用バッグ
SachtlerのAceには、専用のバッグが付属しています。三角柱の形状にシルバーの模様とロゴの印刷されたデザインで、型の入ったしっかりとした作りのセミソフトケースです。
決して背負いにくいデザインではないのですが、バックパックを背負った状態で肩にかけるとずり落ちてしまうのが難点です。ずり落ちてしまう原因が三角柱という形状にあるのか、或いはセミソフトタイプなことに原因があるのか分からないのですが、運搬の際に落ちないように肩掛けベルトを手で押さえる必要があり、あまり快適ではありません。
また、肩当てのパッドが付いているのですが、縦向きに担ぐ場合にこの肩当てパッドはたいして役に立たず、むしろ邪魔になります。
もちろん、バックパックを背負いながら肩掛けのバッグを担ぐということに無理があるのですが、前記のMB MBAG70Nはバックパックを背負いながらでも落ちてくることはありません。そこで購入してみたのがMB MBAG100PNです。
MB MBAG100PN(全長100cm)

MB MBAG100PN
Manfrottoの三脚バッグシリーズで、外寸の全長が100cmのモデルです。同サイズの製品に「HDパッド付き三脚バッグ 100CM MB MBAG100PNHD」というモデルもあります。製品ページの表記からは違いが分かりづらいのですが、恐らく本体のナイロンにクッション材が入っているのか、そうではないかの違いだと思います。
私の購入したMB MBAG100PNは、クッション材の入った素材でつくられています。クッション材の入ったモデルの場合、前記の70cmモデルのようなナイロン素材内面へのコーティングはないように見えますが、縫製の関係でコーティング面がナイロン素材の裏面、つまりクッション材側になっているのではと思います。
いずれにしても、メーカーの商品ページには「撥水生地使用」と記載されているので、MB MBAG70Nと同等の耐水・撥水性能は期待できます。

バッグ内側の生地表面には、MB MBAG70Nのようなコーティングはないように見える
サイズは意外に大きく、製品のサイズぴったりに作られたAce専用バッグに比べると、少々大ぶりに見えます。

Ace専用のケースに比べると一回りほど大きい
Ace Lとカーボン三段脚のセットが余裕で収納できます。脚の先端をケースの端にピッタリとつけると、ヘッド部分には若干の余裕があります。この商品の説明に内寸の表記は無いのですが、実際に測ってみると内寸は最も長い部分で94cm、短い部分で87cm程度です。雲台の上部を保護する厚手のパッドがやや斜めに取り付けられているので、内寸は測る部分によって若干長さが異なります。

AceLを余裕で収納できる
ヘッド上部を保護するパッドはしっかりとしていて、安心感があります。

雲台上面を保護するパッドは分厚く安心感がある
肩掛けのベルトはAce専用ケースに比べて少し幅が広く、肩当てはついていません。

ストラップ側
バッグ内部には、ポケットが付いています。予備の三脚プレートや三脚ネジ、六角レンチなどの工具などを入れておくのに便利そうです。

バッグ内側のポケット
バッグには縦に持つことができるハンドルもついています。Ace専用のケースには縦持ち用のハンドルはありませんが、電車の乗り換え時などに縦持ちする機会は多いので、付いていた方が便利です。

縦持ち用のハンドル
実際にSachtler Aceを入れてそこそこの距離を運搬してみると、ソフトケースなのでバッグ形状が身体に馴染みやすく、Ace専用のケースよりも若干楽かなと感じます。まあ、「新しく買ったのだから使いやすいに違いない」という意識が少なからず働いているようには思いますが…。
バックパックを背負った状態で、そこそこの大きさと重さの荷物を肩掛けしているのだから、劇的に楽になるというのは無理かと思います。それでも「少しの楽」が歩く距離に比例して大きな負担軽減につながります。
「激推し」というほどではありませんが、手持ちの三脚バッグが傷んだ際や現在使っているバッグに不満がある場合は、買い替える候補の一つとして検討しても良いのではと思います。
ケースやバッグの効能
機材用のバッグは、まず機材を安全に運搬できることが大切です。しかし、それだけでなく快適に機材を運搬できるかも重要です。ロケ地到着までの快適さは、いかに余力を残して撮影を開始できるかといった意味で撮影のパフォーマンスに大きく影響します。機材を軽くすれば当然余力は増しますが、重量軽減のために撮影に必要な機材のスペックを削ってしまっては本末転倒です。数箇所を徒歩移動しながらといったロケでは、なおさらに機材運搬の負担軽減が重要になります。
そういった観点で、MB MBAG70Nは長年使って満足度の高い製品です。また、今回新たに購入したMBAG100PNはまだ数回しか使っていませんが、Aceに付属するバックよりも背負いやすいように感じます。
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