三脚ネジとドライバー

 三脚プレートを取り付ける際、コインを使いますか?マイナスドライバーを使いますか?という話題です。
 三脚プレートは、マイナスネジを使ってカメラに取り付けるものが大多数です。このマイナスネジ、コインを使って回すことができますが、締め付けが弱いと撮影中に緩んでくることがあります。カメラが外れてしまうほど緩むことは稀ですが、プレートに対してカメラが斜めになると画面が傾く原因になります。できれば工具を使って、しっかりと固定した方が安心です。

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三脚プレートと今回紹介するSWISS TOOLSのPB138/6、PB 1387マイナスドライバー

2つのネジで固定する

 カメラによっては、三脚取り付け用のネジ穴が2つ設けられたものもあります。また、カメラ用のケージにも、ネジ穴が複数設けられたものが多くあります。カメラに対してネジが緩む方向に僅かに力が加わるのを繰り返すことで、次第に緩みが大きくなります。2つのネジでカメラを三脚プレートに固定していれば、三脚ネジが緩むリスクは大きく減ります

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カメラ用ケージには三脚穴が複数設けられているものが多い(写真はSmall Rig製FX3/30用ケージ4183)

 しかし、カメラやケージにネジ穴が複数ない場合や、三脚プレート用のネジが1つしかない場合は、1つのネジをしっかりと締め付けるしか仕方ありません。また、2つのネジで締める場合も、それらのネジをしっかりと締めるに越したことはありません。しっかりとネジを締めるには、適当な工具、つまりドライバーを使うのが最適です。

PB138/6

 PB138/6は、SWISS TOOLSというブランドの製品で、随分昔に東急ハンズで購入したものです。特に撮影機材用として販売されていたものではありませんが、三脚ネジの固定用に便利そうだと思い、単品のマイナスドライバーとしては少々高価でしたが購入したものです。予想どおり大変使いやすく、20年以上愛用しています。ただし、この品番の製品は現在は販売されていないようです。

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SWISS TOOLSのPB138/6

PB1387

 予備というか、カメラバッグと作業机それぞれに置いておきたくて、PB138/6をもう一つ購入しようと探したのですが、見つかりませんでした。どうも現行の製品は、PB138/6を一回り大きくしたPB1387だけのようです。
 PB138/6よりも大ぶりなPB1387ですが、ネジを回すための先端部分のサイズはこちらの方が三脚ネジのサイズに合っていますSWISS TOOLSの製品ページをみると、「映画産業用スペシャルツール、カメラ固定ネジの脱着用」という記載があり、PB 1387は撮影用の工具として製造されたドライバーのようです。

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SWISS TOOLSのPB1387
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SWISS TOOLSのPB138/6と1/4インチ三脚ネジ
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SWISS TOOLSのPB1387と1/4インチ三脚ネジ

締め過ぎ注意?

 PB138/6、PB1387共に、ハンドルが大きいのでかなり強くネジを締め付けることができます。強く締めすぎてネジを壊してしまわないか心配になるくらいです。ドライバーの先端部分がしっかりとしているので、ネジの頭に切られた工具用の穴を舐めてしまう心配はありません。しかし、大型の3/8インチネジに比べて小さな1/4インチネジの場合、螺旋に切られたネジ山を傷めてしまわないか少し心配になります。

 また、カメラの三脚用ネジは、プラスチックやアルミ合金の筐体にスチール製のネジ部品が埋め込まれているものがあります。三脚ネジを強く締めすぎると、この埋め込まれたネジ部品が外れてくる恐れもあります。締め付ける際の力加減はほどほどにした方が良さそうです。

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カメラの三脚穴は、筐体の材料とは別にスチール製のネジ穴部品が埋め込まれている場合が多い(写真はFX30)

工具の先端部分

 安価なドライバーは、力を入れてネジを締めているうちにドライバーの先端部分が少しづつ変形してしまうといったことがあります。先端の変形したドライバーを使うと、ネジの頭の工具穴を舐めてしまうリスクが高くなります。

 しかし、SWISS TOOLSのPB138/6を長く使っていますが、先端部分が変形するようなことはありません。PB138/6、PB 1387共に先端部分が軸部分とは異なる金属でできています。これについて、PB 1387のメーカーページでは「バネ鋼ベースの特殊合金で弾性に優れ、高い硬度を保ちます」という(微妙な日本語表現の)記載があり、おそらく先端部分の鋼材が変えてあることを指しているのだと思います。
 単品のドライバーとしては少々高価ですが、長く使える造りになっているのは安心です。

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SWISS TOOLSドライバーの先端部分は軸部分と異なる鋼材で作られている

まとめ

 カメラを三脚プレートに固定するネジは、コインやそれに代わる小型の工具で締め付けることができます。しかし、締め付けが弱いと撮影中に次第に緩んでしまい、カメラが斜めになってしまう場合があります。大きめのハンドルのマイナスドライバーを使うことで、三脚ネジを強く締め付けることができます
 SWISS TOOLSというブランドのPB 1387は撮影機材用に作られたドライバーで、三脚ネジを非常に強く締め付けることが可能です。
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SWISS TOOLSのPB138/6とPB1387

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