伸縮式パンバー レオフォト HD-01

より長いパンバーを探して

 Sachtler(ザハトラー)のAceやFSBに使用できる同社製の伸縮式のパンバーがあると知って是非手に入れたいと思ったものの、価格が約5万円となかなかに良いお値段で諦めていました。互換品はどうかと検索してみると、Sachtler互換を謳った伸縮式パンバーはあるものの、伸ばしたときにFSB用のパンバーと同じ長さになるだけで、FSBのパンバーよりも長いものが欲しい私の希望には合いません。

パイプ直径が同じものを探してみる

 FSB用のパンバーのパイプ部分の直径を測ってみると16mmです。つまり、パイプ部分の直径が16mmのパンバーならば、差し替えて使用することができます
 探してみると、レオフォト HD-01 BV-15用伸縮式パンハンドルは伸縮機構の細い方、ヘッドへの取り付け部分のパイプの直径が16mmなので、交換が可能です。

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レオフォト HD-01伸縮式パンハンドル

 全長は、伸ばした状態でSachtler FSB用パンバーよりも若干長くなります。同じSachtlerのパノラマ7+7のパンバーとほぼ同じくらいの全長です。写真はSachtlerのAce用、FSB用とレオフォトのパンバーの長さを比べたものです。(どうせならパノラマ7+7のパンバーも並べれば良かったのですが…)

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レオフォト HD-01伸縮式パンハンドルとSachtler FSB用、Ace用を比較

 ヘッドに取り付ける部品の菊座の形状は異なります。取り付けパーツごと交換することはできません。

脱落防止機構の違い

 レオフォトの伸縮式パンバーは問題なくSachtlerのヘッドに取り付けることができるものの、パンバー固定ネジを緩めた際の脱落防止機構の形状が異なります
 SachtlerのFSB用パンバーは、先端にネジ込み式のストッパーを取り付けるようになっているのに対して、レオフォトのパンバーは菊座固定用のネジがパンバーのパイプの凹みに噛み合って抜け落ちないようになっています。

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Sachtler FSB用パンバーの取り付け部分
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レオフォト HD-01伸縮式パンハンドルの取り付け部分

 パンバーの角度を調整するために、固定用のネジを緩める機会は案外多いものです。パンバーの角度を調整する度にポロポロとパンバーが抜け落ちては困るので、とりあえずレオフォトのパンバーの凹み部分に綴り紐を巻いてみました。綴り紐は、書類などをまとめるのに使う文房具です。ケーブルを縛るのに丁度良いので、買い置きしているものから使いました。見栄えは今一つですが、脱落防止としては、問題ありません

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レオフォトのパンバーをSachtlerのパンバー取り付け用パーツに差し込んだ状態
写真 tr11_photo_06
パンバーの溝部分に綴り紐を巻きつけて脱落防止に

パンバーの使用感

 購入したパンバーは、約6千円とSachtlerの伸縮式パンバーの1/10に迫る価格ですが、加工や仕上げに気になる部分はありません。伸縮部分にもガタつきはなく、コスパ的に大満足な製品です。欲を言えば、あと5cmくらい長くても良かったかな、と思います。

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レオフォト HD-01伸縮式パンハンドルを最も短くした状態
写真 tr11_photo_08
レオフォト HD-01伸縮式パンハンドルを最も伸ばした状態

 写真機材の量販店に展示されている商品をみると、レオフォト製品はパーツの加工精度も良さそうで、機構にも工夫を凝らした独創的な三脚を作っているメーカーのようです。機会があれば、試してみたい三脚や雲台も数種類ありました。

なぜ長いパンバー?

 なぜ長いパンバーがあると良いのか、単純にテコの原理でより滑らかなパン・ティルト操作が可能になるからです。この点では、パンバーは手が届く範囲で長ければ長いほど良いと言えます。
 もう一つ、長いパンバーが必要になる理由があります。それは、カメラのファインダーの位置によるものです。ショルダータイプのカメラのように、カメラの前方にファインダーがある場合、撮影者の身体はカメラの横に位置することになり、結果的にパンバーの先端までは少し遠くなります。これに対してカメラの後方にファインダーがある場合、撮影者の身体はカメラの後方に位置することになり、結果的にパンバーの先端までの距離は近くなります。カメラのファインダー位置の違いによっても、パンバーの必要な長さは変わってきます。私が近年使用しているFX30は、カメラの後方に液晶モニタがあるため、長めのパンバーが欲しくなるといった具合です。

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カメラのファインダーの位置によって、身体とパンバー先端までの距離が異なる

 稀に狭い場所での撮影で、長いパンバーが邪魔になることもあります。こういった場合でも、パンバーが伸縮式ならば鬼に金棒です。
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